休職しないために
- 斎藤知之
- 6月16日
- 読了時間: 4分

不安・不眠・うつ症状などにより、働くのが難しくなる人は少なくありません。しかし、経済的な理由などから簡単に休職できない人も多いはずです。ここでは休職しないためにどうすれば良いかを解説します。
目次
心が不調になったら
普段から気をつけること
心が不調になったら
たとえば、毎日夜中に目が覚めてよく眠れない、毎日疲れが取れない、仕事のことを考えると動悸や吐き気が出るなどの症状が出たらどうするかを書きます。
休職以外の方法を話し合う
精神的・身体的な症状が出たら、いつものように働くのは難しいと思います。しかし、休職することに抵抗がある場合は、その他の方法について上司と話し合うことが大切です。たとえば、仕事量を減らす、時間外労働をやめる、勤務時間を短くする(1日4-6時間など)、つらい仕事から離れるなどの方法により心の負荷を減らすことができれば、症状が良くなる可能性があります。
専門家にアドバイスを求める
自分なりに工夫してみても症状が改善しないなら、専門家にアドバイスを求めることをおすすめします。心の専門家、メンタルヘルスの専門家には、心療内科・精神科の医師、心理カウンセラー、臨床心理士などがいます。また、パワハラなどの労務上の問題を抱えている場合、法的な見解を聞いてみることが大事な場合もあります。厚生省・労働局が主導の総合労働相談では無料で相談を受け付けています。法的紛争になりそうな場合は弁護士に相談してください。
心の薬を利用する
心の薬(向精神薬)に抵抗をいだく人もいますが、実際はとても有効な手段です。一部の医師が医学的エビデンスやガイドラインを無視して多量に投薬したり、有効量以下の用量で使ったりするため問題になることがありますが、専門性をもつ医師の指示どおりに薬を使うなら安全かつ有効です。向精神薬は治験後に公認されるので、その有効性・安全性は科学的に確かめられています。また、医学的・科学的なエビデンスをもとにガイドラインが作られています。こうした知見をもとに薬を使うなら安全ですから、過度に心配する必要はありません。
普段から気をつけること
自分のメンテナンス
日ごろから自分をメンテナンスする意識を持つことが大事です。自分をいたわること、自分を大事にすることを続けないと、いつか精神的にも肉体的にもガタがきます。機械と同じで、人間にはメンテナンスが必要不可欠です。自分の心と体に目を向けて、日ごろのメンテナンスを意識してください。
体の健康に気をつける
体の健康と心の健康は密接につながっています。そのため、体の健康を損なうと心も不安定になります。体に良い生活が何なのか知っている人は多いはずです。規則正しい生活リズム、適度な運動、バランスの良い食事などは体にも心にも良いです。また、過度な飲酒、睡眠不足などは体にも心にも悪いです。自分の体をいたわる習慣を身につけてください。
手伝ってもらう習慣
つらいときに誰にも助けを求めず、自分ひとりで解決しようとすると、精神的に追い込まれてしまいやすいです。しかし、普段から誰かに手伝ってもらったり、他人に助けを求める習慣が無いと、本当に困った時に他人を頼ることをためらってしまいます。普段やっていないことを急にやるのは難しいものです。日ごろから、人を頼り、ちょっとしたことを手伝ってもらう習慣を身につけましょう。
人間関係を大切にする
孤立すると精神状態は悪くなるのは統計的な事実です。人間関係は大事にしてください。むやみに他人を批判したり、厳しいことを言ったりしていないでしょうか。そういう態度では人は離れていきます。人にやさしくすることは、自分のためにも大切です。
こうした方法をもとに休職しない方法を考えることは大事です。ただし、休職して自分を守ることが必要な時もありますから、絶対に休職しないと頑なにならず、休職という選択肢をいつでも使えるように持っておくという考え方をおすすめします。休職した場合、復職までの方法については別の記事で紹介していますから、良ければご覧ください。