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全般性不安障害の症状と治療

更新日:2023年3月27日



全般性不安障害の症状

全般性不安障害とはずっと不安緊張感が続く精神疾患です。症状が半年以上続く際に診断しますが、長期間にわたり、あれこれと心配になり、常に神経がピリピリして、肩に力が入っている状態になります。


全般性不安障害は、不安障害(不安神経症)の一種に分類されますが、他の不安障害のように不安が限局しておらず、不安の対象が多岐にわたるのが特徴です。また、眠れなくなったり、疲れやすくなったりと、うつ病に近い症状も多く出現します。


不安、緊張が強まると、様々な身体症状を呈します。例えば、動悸、息苦しさ、冷汗、吐き気、下痢、頭痛、手の痺れ、喉に固まりがある感覚などが代表的です。これらは自律神経という神経の作用によって引き起こされるため、自律神経症状と呼びます。こうした自律神経症状が出る病気を自律神経失調症と呼ぶこともありますが、これは俗称であり、自律神経自体が障害されているのではありません。あくまで症状の原因は不安緊張が強すぎることです。


鑑別疾患

全般性不安障害は様々な精神疾患と一緒に起こることが多いです。代表的なものはうつ病です。また、他の不安障害を合併することもあります。アルコール依存症などの依存症に全般性不安障害を合併した場合は、依存症の治療から始めるのが良いとされます。合併する精神疾患によって治療法も変わるので、きちんとした評価が重要です。その他、ホルモンの異常などでも不安症状が強まることもあり、血液検査などで評価する必要があります。


治療

全般性不安障害では、まず、自分で不安をコントロールすることが大事です。またリラクゼーションも必要です。もっと専門的な精神療法としては認知行動療法があります。これは自分の考え方を見直す精神療法で、マニュアル化されており、期間を決めて集中的に行う精神療法です。



薬による治療は、うつ病とほぼ同じです。一般的にはSSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる抗うつ薬を使います。それで効果がなければ他のSSRIに変更するか、SNRI(Serotonin Noradrenaline Reuptake Inhibitor:セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)の使用を検討します。


また、ロラぜパムやアルプラゾラムなどのベンゾジアゼピン系の抗不安薬も有効です。しかし、ベンゾジアゼピンは長期に使用すると依存性が出ますので、できるだけ短期間の使用にとどめることが大事です。依存を避けるためには1ヶ月以内で中止するのが理想とされます。


参考文献:

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