メンタルの問題と就労支援

うつ病などのメンタルの問題(精神疾患)を理由に、働くことが難しくなる人は少なくありません。メンタルの病気では、医学的な治療も重要ですが、同時に、仕事や生活についてのサポートも大事になります。
特に、仕事は経済的な問題にも繋がるので、とても重要な課題です。
日本では、以前から障害者雇用という制度があり、職員が一定以上の規模の会社は、障害者雇用の義務がありました。昔は、身体障害者、知的障害者が障害者雇用の対象だったのですが、平成30年4月から、これに精神障害者が加わりました。つまり、メンタルの不調が続く方、精神疾患の方も、障害者雇用の対象となったのです。
この制度が活用され、最近は、メンタルの問題のために通常業務が難しい方が、障害者雇用枠を利用して働くケースが増えています。精神科や心療内科の受診から半年以上経過すると、精神障害者保健福祉手帳を申請できます。この手帳があると、障害者雇用枠に応募できるようになります。
また、こうした就職をサポートする制度も増えており、行政の認可を受けた就労移行支援事業所などが、メンタルの問題で働けない方の就職を支援しています。
単に医学的な治療だけでなく、生活のサポートやケアも含めて治療を考えることを、包括ケアと呼びます。日本では少しずつ包括ケアが普及してきています。こうした制度を利用したい方は、ぜひ、主治医に相談してください。また、地元で就労支援のサービスを探してみてください。
よく分からない方は、インターネットで情報収集することが大事です。参考までに、就労支援を手がけているRodinaのサイトを紹介します。
『メンタルヘルス不調で休職中の方や、障害のある方が、安心した社会生活がおくれるように健康面・生活面を整え、スムーズな社会復帰・復職・就職ができるように支援するプロフェッショナル集団です。福祉サービスの自立訓練(生活訓練)、就労移行支援でサービスを提供しています。働き方や適性、置かれた状況など、人それぞれです。これまでの経験やキャリアを振り返り、その人がその人らしく、いきいきと社会生活が送れるように質の高い支援をおこないます。』
こうしたサイトは他にもございますので、自分でも探してみてください。
なお、よりどころメンタルクリニック桜木町には、2025年1月から精神保健福祉士(ソーシャルワーカー)が入職しました。1月下旬頃から順次、相談業務を行なってまいります。
当院の精神保健福祉士は、患者様が将来的にどうしていきたいのか、個人的な悩みやニーズを聞きながら、一人一人のご要望に沿った就労支援サービスを紹介したり、代わりに施設に連絡したりと、地域にある就労支援施設の紹介や連絡に努めます。また、精神保健福祉手帳、障害年金、ヘルパーなどの福祉制度のご紹介も可能です。
現在のところ、精神保健福祉士への相談は保険適用されず、1回3000円かかりますが、ご利用の際はご相談ください。
今後も患者様の支援に励んで参りますので、宜しくお願い致します。