精神科・心療内科に行くメリット

通院とは面倒なものですし、処方薬を忘れずに飲むのも大変です。精神科や心療内科に行くメリットが分からない方も多いと思います。そこで、精神科医の私から今回は精神科・心療内科に行くメリットを詳しく説明させて頂きます。
目次
障害・困難の克服
精神科が扱う症状は色々あり、うつ状態とか不安が強いなど色々とあります。こうした精神症状の改善が精神科・心療内科に行くメリットですが、それだけでもありません。精神症状を改善することで、生活や仕事の障害や困難を克服することができます。これが何よりのメリットだと思います。
精神疾患は、生活や仕事の中で、症状により何らかの障害や困難が生じた場合に診断します。言い換えると、精神症状によりできないことが増える時に精神疾患と診断されるわけです。
たとえば、うつ病になると、普段通りに働けなくなります。電車に乗るとパニック症状が出る場合は、怖くて電車に乗れなくなります。ADHDでは、注意力が散漫になり、ミスや忘れ物が多いため、通常の仕事ができないことがあります。
精神科や心療内科で治療を受けると、精神症状の改善によりできないことをできるようにすることができます。原因となる精神症状を改善した上で、普段通りに働けるようにしたり、電車に乗れるようにします。これが治療の意義であり、精神科や心療内科に行くメリットです。
精神症状によりできなくなることは、とても多いものです。
たとえば、うつ状態になったり、不安が強くなると、
「頭が働かず仕事がうまくできなくなった」
「人前に出られなくなった」
「電車が怖くて乗れなくなった」
などがよく見られる問題です。
他にも、イライラが強まったり、衝動的になると、
「お金を計画的に使えなくなった」
「人と会うと感情的になり、人間関係がうまくいかなくなった」
というように、生活や人間関係にさまざまな困難が出てきます。
精神症状を治療することで、不可能を可能に変えることができます。それが、精神科医の役割です。
心療内科の通院で再発予防
そして、精神科・心療内科の通院には再発予防というメリットもあります。一度症状が落ち着いたとしても、再発しては大変です。病状が良くなったら、その状態を維持しなければなりません。再発予防の治療を維持療法と言いますが、これも精神科や心療内科に通院するメリットです。
なお、維持療法では、再発のおそれが無くなった段階で、薬を徐々に減らして中止します。精神科の薬を使うと依存症になると誤解している方もいますが、正しい使い方をすれば依存症になることはなく、薬は中止できますのでご安心ください。
統合失調症や双極性障害(双極症)などのように、生涯に渡り再発のリスクが続くため維持療法を続けた方が良い精神疾患もありますが、大半の精神疾患では一年以内に維持療法を中止します。治療の終了については、病状や疾患にもよるので、主治医と話し合い、その時の病状を評価してから決めます。
社会保障・福祉の利用
精神疾患により働けない場合は、お金の心配も出てきますが、これにも精神科・心療内科の通院が大事になります。
精神科・心療内科にきちんと通院していると、職場の福利厚生として傷病手当を申請することができます。退職した場合も主治医に意見書を書いてもらうことで失業手当を早めにもらう方法もあります。長期に通院する場合は、障害者雇用や障害年金などの社会保障制度を利用できる場合もあります。こうした金銭保証の制度の利用には、医療機関からの書面が必要となります。医師法という法律があるため、書面は医療機関に受診しないと発行してもらえません。
このように、精神科の治療は、心を安定させるだけではなく、仕事や生活のさまざまな困難を取り除いてくれます。通院治療は大変ですが、自分の生活にとってメリットは大きいです。受診をお悩みの方は、是非一度ご相談ください。
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