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自律神経失調症と精神疾患

更新日:2023年3月27日


自律神経失調症とは

自律神経症状とは

自律神経失調症とは、よく使われる病名です。しかし、これは正式な病名ではありません。自律神経失調症は、多くの場合、精神疾患にともなう自律神経症状を指します。


自律神経

自律神経とは脳から全身に向かって出ている神経で、交感神経と副交感神経に分かれます。自律神経は心臓、胃腸、血管、汗腺など身体の内側にある多くの臓器を無意識に調節しています。


自律神経と不安

不安が強くなると、不安が脳に作用して自律神経を興奮させ、色々な臓器の症状を引き起こします。例えば、動悸がしたり(心臓)、吐き気が出たり(胃)、下痢したり(腸)、手足が冷たくなったり(手足の血管)、冷や汗がふき出したり(汗腺)します。この時、原因は不安であって、自律神経そのものの異常ではありません。


不安と精神疾患

不安が強くなる精神疾患の代表は、その名の通り不安障害(不安症)です。不安障害は総称であり、不安障害にはパニック障害、社交不安障害、特定の恐怖症、全般性不安障害などが含まれます。どの不安障害でも自律神経症状が出ます。


また、うつ病や双極性障害、統合失調症など、不安障害以外の精神疾患でもやはり不安が強まるため自律神経症状が出ます。また、精神症状は比較的少なくても、やはり精神状態によって自律神経症状が出る場合は、身体表現性障害と呼びます。


こうした精神疾患にともなう自律神経症状の場合は、原因となる精神疾患を治療すれば自律神経症状が改善します。自律神経そのものに作用する薬は使いません。


その他の疾患

一方で、糖尿病やパーキンソン病、レビー小体型認知症、純粋自律神経不全症などの病気により自律神経そのものが障害されることがあります。こうした場合は、便秘や立ちくらみなどの自律神経症状が出ます。このような自律神経そのものの障害の場合は、治療が困難となります。


こうしたものに比べると、精神疾患による自律神経症状の方が治療法が確立していると言えるでしょう。


治療の勧め

自律神経失調症の原因が精神疾患の場合は、精神科や心療内科で治療できます。そのまま放置して長引くと、生活の中で困ることが沢山あるでしょう。これは人生の損失です。ご自身のために、しっかりと治療することをお勧めします。

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