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精神科の包括ケアとは

更新日:2023年3月27日

包括ケアとは、医学的な治療だけでなく、心理的なケアや社会的なサポートなど、色々な方法をつつみこんだパッケージです。



心には色々なことが影響します。


人間関係、お金、個人の考え方、脳の構造やホルモンバランスなど様々なことです。


そして、精神疾患も、生物学的、心理学的、社会的な要因が組み合わさって作られるという、生物-心理-社会モデルという考え方が一般的です。


だから、心を治すための治療プランも、いくつか組み合わせる方が良いということになります。そこで、たくさんの治療やケア、サポートを包み込んだパッケージとして、包括ケアというアプローチが注目されています。


例えば、お薬の治療を受けながら、お金や仕事などの社会的な部分をサポートしたり、心理士によるカウンセリングを受けたりして、患者さんの生活・人生を多面的に支えることを包括ケアと呼びます。


家の近くの福祉施設や民間サービスを利用する地域ケアと包括ケアを併せて、地域包括ケアと呼ぶこともあります。


今まで包括ケアまたは地域包括ケアという言葉は高齢者福祉の話題に使われることが多かったのですが、本当はもっと広い概念です。


近年、精神科の包括ケアが世界的に注目されています。世界保健機関(WHO)も心の健康の治療やケアにおいて、包括ケアの重要性を提唱しています。


精神科の包括ケアは、単に病気を治すだけでなく、患者さんの生活を支援して、社会に活躍する場を提供します。つまり、患者さん個人の幸せだけでなく、広く社会に貢献するシステムです。


包括ケアは精神科医だけでは作れません。精神保健福祉士、心理士、看護師などの資格を持つ多くのプロフェッショナルの協力が必要です。


そして、役所の人たちの力も借りなければなりません。また、民間サービスや福祉施設の人々の助けも必要です。


包括ケアは多くの人々が力を合わせて作り上げるものなのです。

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